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ークの後、欠陥防止の観点からフラックスを利用するAl−Mg合金のGTA溶接法についての報告(Marya、フランス)、GTAのアノード境界層を対象としたプラズマ計測の結果とその考察(田中、阪大)、亜鉛メッキ鋼板のGMA溶接でのブローホールの抑制を目的とした溶接ワイヤの開発(平野、日漆工)、短絡アーク溶接の波形解析と安定性評価システム(西川、名大)についての報告があり、それぞれについて活発な討論がなされたなお、Ashramら(エジプト)の報告はキャンセルされた。
本セッションは、最終日の最終セッションにもかかわらず、最後まで多くの参加者があり、かつ内容も充実していた、このことについて、セッションの最後に、松縄実行委員長から参加者全員に対し謝辞が述べられた。

 

セッション B−3

高機能材料の接合
大阪大学接合科学研究所 池内建二
本セッションでの発表は招待講演を含め6件で、国外からは1件であった。内容は、いずれも材料学的な観点に立ったものであるが、材料、接合方法ともに個々の発表によって異なり、全体として統一的な傾向は認められなかった。しかし、いずれの発表も新規性に富んだ試みが見られ、材料的には粒子分散強化合金、Al-Li合金および形状記憶合金など、また接合法的には衝撃高電流密度スポット溶接、陽極接合によるディボンディンクおよび常温界面接合などが取り上げられた。North(トロント大、カナダ)による招待講演は、粒子分散強化合金中の強化粒子に対する摩擦圧接の影響に関するもので、酸化物粒子分散強化Ni基合金MA956とAl203粒子強化6061Al合金を例に挙げて、圧接部で強化粒子が凝集・粗大化する場合と、破壊・微細化する場合があることを示し、その原因について接合部における塑性流動の流体力学的解析をも含めて、総合的に検討を加えた。また接合部の強度特性についても検討を加え、特性劣化因子として、強化粒子の形態変化(大きさ、分布密度)の重要性を指摘した。
一般講演では、Al−Li合金のTIG溶接継手の溶接金属部の熱処理による機械的特性の改善と析出挙動の関係、衝撃高電流密度スポット溶接(Impulsive High Current Density Spot Welding)によるアルミニウムとAl−Mn合金メッキ鋼板との接合強さに対するAl−Si合金インサート材とAl-Mnメッキ層それぞれの効果、Ti−Ni系形状記憶合金のTIG溶接金属部の形状記憶特性とガス(02,N2)吸収の関係、ホウ硅酸ガラスとコバール合金との陽極接合における接合機構と逆電圧印加によるディボンディンクの可能性、超高真空中での金とシリコン単結晶との常温接合の接合強さに対するイオンスパッタリングによる表面清浄化処理の効果などについて発表が行われた。

 

セッションD−3

摩擦圧接および表面改質
大阪大学接合科学研究所 池内建二
本セッションでの講演は9件で、国外からのものは内1件であった。内容的には、圧接が2件で、表面改質関係が、摩擦肉盛りも含めて7件であった。全体を通じて、EB−PVD法(EBを熱源とする蒸着)による部分安定化Zr02断熱皮膜に関する報告が2件見られた以外、特別な傾向は認められなかった。

 

 

 

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